日本弁理士会会長賞

加熱炉を使わない鋼材の焼鈍方法（特許第5088633号）

【島根県発明協会】

片岡　仁	日立金属株式会社　本社　高級金属カンパニー員 （Hitachi Metals Korea Co., Ltd. 出向）
江口　弘孝	日立金属株式会社　安来工場　技術部　技師

実 施 功 績 賞

��橋　秀明

日立金属株式会社　代表執行役　執行役社長

　本発明は、前工程熱間加工と、次工程熱間加工と、これら両熱間加工の間に行う中間焼鈍とを含んでなる鋼材の製造方法において、この中間焼鈍の手法に効果的な変更を加えたものである。
　すなわち、上記の中間焼鈍が、前工程熱間加工が終了した後の半製品鋼材を保温槽に入材し、半製品鋼材を復熱させることで、この半製品鋼材を、半製品鋼材の変態潜熱を利用してパーライトノーズの変態完了点±２０℃の温度範囲内に保温し、パーライト変態（つまり、中間焼鈍）を完了させるものである。そして、上記の保温槽が、加熱源を有さず、例えば、箱状や蓋状の内部に断熱材を設けて密閉空間を構成するものである｡
　本発明によれば、上記の中間焼鈍に加熱炉を用いる必要がないので、安全であり、かつ、焼鈍に関する省エネルギー化にも貢献できる。そして、例えば、半製品鋼材を輸送する時間を利用して中間焼鈍を行うことも可能となり、半製品鋼材の流通の促進にも貢献できる｡

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