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令和3年度近畿地方発明表彰

発明協会会長賞

常温洗浄型硬質表面用洗浄剤(特許第6576653号)

【福井県発明協会】

中島 順市

日華化学株式会社 化学品部門 界面科学研究所
商品開発研究部 機能化学品開発グループ
グループサブリーダー

島川 勝彦

日華化学株式会社 化学品部門
スペシャリティケミカル事業部
スペシャリティ・マテリアル部 機能材料グループ 主事

伊藤 文隆

日華化学株式会社 化学品部門
スペシャリティケミカル事業部
スペシャリティ・マテリアル部 機能材料グループ 主事

実 施 功 績 賞

江守 康昌

日華化学株式会社 代表取締役社長


 本発明は、自動車部品等の硬質表面の洗浄工程において、「洗浄工程の常温(室温)化」を行った場合でも、高い洗浄力を発揮するだけでなく、優れた消泡性と速乾性を発揮し部品の高品質化にも対応し得る技術に関するものである。
 本発明の洗浄剤は、界面活性剤成分の物性と機能性を把握し、特定のカルボン酸、アルカノールアミン及びヒドロキシル基含有化合物の最適な組み合わせを見出すことで、常温洗浄下で従来の洗浄剤で生じた洗浄性・消泡性・乾燥性等に関する問題点を改善し、完成に至った。本発明の硬質表面用洗浄剤は、カルボン酸化合物、アルカノールアミン化合物、特定の分岐構造を有する脂肪族第一級アルコール、及びグリコールエーテルを含有することで、常温洗浄で問題となった各種性能の低下を解消することができた。
 本発明により、部品洗浄工程の常温化(60℃→40℃)を達成し電力量約35%削減(二酸化炭素換算:約9.7t/年)が可能となり、部品生産工場のグローバル化で求められるコスト競争力に寄与し、さらには近年の地球温暖化に端を発する産業界の環境対応活動に貢献している。

洗浄後の乾燥性比較(左:従来品、右:本技術)

洗浄後の乾燥性比較
(左:従来品、右:本技術)

洗浄剤切り替え前後の省エネ実績(電力量及び二酸化炭素削減)

洗浄剤切り替え前後の省エネ実績
(電力量及び二酸化炭素削減)

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