特許庁長官賞
十勝生乳由来乳酸菌によるチーズの製造方法(特許第6084162号)
【北海道発明協会】
城ノ下 兼一 |
株式会社明治 商品開発研究所 十勝チーズ研究センター チーズ開発G G長 |
土橋 英恵 |
株式会社明治 乳酸菌研究所 基盤微生物研究部 マイクロバイオームG 専任課長 |
小森 素晴 |
株式会社明治 イノベーション事業戦略部 事業開発G |
斎藤 瑞恵 |
株式会社明治 品質科学研究所 食品衛生検査部 食品検査G 専任課長 |
実 施 功 績 賞
松田 克也 |
株式会社明治 代表取締役社長 |
本発明は、十勝地方の生乳から採取されたエタノール高産生乳酸菌をチーズ熟成に使用して、パイナップル様のフルーティな香りを豊富に含むチーズを製造するものである。
パルメジャーノ・レッジャーノはイタリアのパルマ周辺地域において伝統的製法で作られる長期熟成チーズであり、パイナップル様の香気成分(パイン様エステル)を有し、フルーティな香りを持つことを特徴とする。このパイン様エステルは、工業生産によるチーズに含まれることは稀である。本発明は、チーズ製造には通常使用されていないエタノール高産生乳酸菌(Lactobacillus fermentum OLL203697)を意図的に添加し、スターター乳酸菌と組み合わせて熟成を制御するという新規手法により、パイン様エステルを豊富に含むチーズを6ヶ月程度という短期間で生産することを可能としたものである。
本発明により、長期熟成チーズでしか味わえないフルーティな香味を有するチーズを低価格で提供することが可能となり、長期熟成チーズの普及によるチーズ食文化の多様化に寄与しているほか、十勝産乳と十勝が育んだ希少な乳酸菌を使うことで十勝産品の魅力を伝え、十勝産チーズの価値向上と地域振興の一助となっている。
Copyright©1996- Japan Institute of Invention and Innovation All rights reserved