近畿経済産業局長賞
高能率埋もれアーク溶接方法および溶接装置(特許第6777969号)
【兵庫県発明協会】
馬塲 勇人 |
株式会社ダイヘン 溶接・接合事業部 研究開発部 主任 |
塩崎 秀男 |
株式会社ダイヘン FAロボット事業部 技術部 技術営業課 副参事 |
恵良 哲生 |
株式会社ダイヘン 溶接・接合事業部 研究開発部 部長・参与 |
実 施 功 績 賞
蓑毛 正一郎 |
株式会社ダイヘン 代表取締役社長 |
本発明は、「埋もれアーク」と呼ばれる特徴的なアーク現象の安定化を実現する溶接電流・電圧波形制御に関するものである。
埋もれアークとは、溶接ワイヤの先端が溶融金属最表面よりも下部に潜り込んだ状態で生じるアーク現象であり、深溶込みの特徴を活かして高能率溶接を行うことができるが、安定化が難しく、従来はほとんど用いられなかった。これに対し本発明では、低電流/低電圧期間と高電流/高電圧期間を周期的に繰り返して複数のアーク現象を組み合わせるとともに、高電流/高電圧期間において通常はスパッタ発生の原因として敬遠されるローテーティング移行という溶滴移行現象を利用することで、埋もれアークを安定化する溶接電流・電圧波形制御を確立した。
本発明により、埋もれアーク溶接が実用化に至り、厚板溶接の飛躍的な能率向上が可能となった。従来の溶接と比較して溶接コストを最大80%削減することができ、厚板業界におけるものづくりの競争力向上に寄与している。
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