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【令和3年度近畿地方発明表彰】

特許庁長官賞
氏名: 小久保 正彦
会社名: 株式会社SCREENホールディングス
役職: 第二技術開発室 室長
発明の名称: UV−LED複数波長露光式直接描画装置
  特許第5687013号【受賞発明の内容】
小久保 正彦様
発明のポイントをお教えください
 本発明は、プリント配線板上の感光材料(ソルダーレジスト等)にフォトマスクなしで直接回路パターンを形成する露光装置に関するものです。複数の高輝度UV−LED(紫外線LED)を用い、光学系による工夫と複数波長の合成により従来の超高圧水銀ランプを上回る光量を実現しました。併せて感光材料の特性に最適な波長比率での露光も可能にしました。
 本発明により、量産用露光装置において、光源をUV−LEDに置き換えることができ、①消費電力削減、②長寿命化、③水銀レスの露光装置を広く市場に普及させることができました。
苦労した点はどこでしょうか
 開発当時、UV−LEDは超高圧水銀ランプの輝度に遠く及ばず、量産用露光装置への採用は生産性やコストの面から困難と考えられていました。そのような中、UV−LEDの優れた環境特性と将来的な高輝度化進展に着目し、LED光源の実用化の必要性を社内でアピールして開発に挑みました。光源の試作により超高圧水銀ランプからの置換可能性を実証することはもちろん、製造面ではUV−LED発光部を高精度に配列する部品実装技術の確立に苦労しました。
受賞のご感想をお願いします
 この度はこのような素晴らしい賞を受賞でき大変光栄に存じます。素晴らしい開発スタッフに恵まれたことを何より幸運に思います。
 本開発により、生産性が特に重視される製造装置においてUV−LEDが超高圧水銀ランプに替われる可能性を示すことができ、環境負荷低減に大きく貢献できたことを大変うれしく思います。
 今後も、社会課題の解決に取り組み、新たな社会的価値を創出できるように技術開発および発明の創出に精進してまいります。

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