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全日本学生児童発明くふう展

第79回全日本学生児童発明くふう展審査を終えて
-COVID-19にも負けずに創り出された作品たち-

 第79回全日本学生児童発明くふう展には、各地域で開催された発明くふう展で優秀な成績を収め推薦された551作品と、COVID-19の影響によりコンクールを実施しなかった地域から直接申込のあった225作品、合計776点の作品が集まりました。書類審査後、第一次実物審査となる審査幹事会を行い122点と特に優れた34点を選出しました。審査委員会で第二次実物審査を行った結果、恩賜記念賞以下各賞の作品を選出しました。緊急事態下なので実物を動かしての説明動画を事務局が作成し、これと提出された申込書を審査員が各所で視聴・熟読し電子メールで意見交換して審査しました。
 恩賜記念賞には、福島県の福島市立北信中学校1年生・佐藤琉碧さんの作品「ドアの新型コロナウイルス不活化装置」が選ばれました。この装置はハンドルに付いたウイルスをLEDからのC波紫外線で不活性化するのですが、マイコンと距離センサで自動的に紫外線が皮膚や目にあたらないよう点灯を制御し、状態表示や警報音を出しハンドルに吊り下げるだけで使用できる、とても工夫された作品です。
 内閣総理大臣賞には、福岡県立福岡工業高等学校3年生・髙木萌生さんの作品「駅のホームで危険域を知らせる装置」が選ばれました。目の不自由な人がこれ以上線路に近づかないよう、白杖先端の磁気センサを通して音声を届け、危険回避を補助する作品です。
 文部科学大臣賞の「大なわとびお助けロボット」(小学校5年生)、経済産業大臣賞の「自動車の雨よけドアシェード」(小学校6年生)、特許庁長官賞の「紫外線殺菌装置」(小学校5年生)、WIPO賞の「可搬式水力発電機」(中学校3年生)、そして発明協会会長賞、日本弁理士会会長賞、NHK会長賞、毎日新聞社賞、毎日小学生新聞賞、科学技術館賞と、それぞれの賞の特色に合った作品が選ばれ、さらに20点の優れた作品が奨励賞に選ばれました。
 審査に携わり嬉しかったことに、例年同様身近な課題解決に向けた素晴らしい工夫とともにCOVID-19に悩む社会で自分も何か役立ちたいと考えていることを感じました。今回の審査方法では一堂で同時に考えることはできませんでしたが、収集された共有情報や他の委員の意見そして動画を必要なだけ見直すことができ作品をよく理解しました。若い人たちの旺盛な創造力は親御さんや少年少女発明クラブをはじめとする全国の関係各位のご助力ご支援の賜物です。COVID-19下でのご尽力本当にありがとうございます。
審査委員長
審査委員長 古屋一仁

東京工業大学名誉教授

本事業に関するお問合せ先

公益社団法人発明協会 青少年創造性グループ
TEL 03-3502-5434/E-mail 担当者へメールを送信する