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全日本学生児童発明くふう展

第82回全日本学生児童発明くふう展審査を終えて
-身近なテーマから地球規模の課題まで取り組んだ作者たち-

 第82回全日本学生児童発明くふう展には、各地域で開催された発明くふう展で優秀な成績を収め推薦された作品を中心に合計727点の作品が集まりました。書類審査後、第一次実物審査となる審査幹事会を行い122点と特に優れた34点の計156点を選出しました。審査委員会で第二次実物審査を行った結果、恩賜記念賞以下各賞の作品を選出しました。選出は、「作品紹介動画」と提出された申込書を、事前に各所で視聴・熟読し、後日、審査委員が一堂に集まり、実物に触れて確かめてから、一つ一つの賞に相応しい作品について意見交換することにより行われました。
 恩賜記念賞には、神奈川県の私立東海大学付属相模高等学校中等部2年生・嘉手納杏果さんの作品「アマモの発芽・育成装置及び方法」が選ばれました。海洋生物に大切な役割をもつアマモが環境破壊によって近年減少していることに対して、家庭の水槽で効率よくアマモを発芽・育成させて海に還す作品です。最も適した温度制御や養分組成を実験によって見つけだし、発芽までの期間を短縮したり発芽率を高くすることに成功しました。
 内閣総理大臣賞には、岐阜市立市橋小学校5年生・山口裕大さんの作品「日なたに置くだけ!蒸留水製造機」が選ばれました。世界には水で困っている地域がたくさんあることを知り、太陽エネルギーを使って海水や汚れた水からきれいな水を作る装置をくふうしました。
 文部科学大臣賞の「AI害獣撃退装置」(中学校1年生)、経済産業大臣賞の「ストレスフリーで水陸レスキュー『スクリュータイヤ』」(高等学校1年生)、特許庁長官賞の「パー力(りょく)測定器DX」(小学校3年生)、WIPO賞の「『ジャンボタニシGETだぜ!』~全自動タニシほかくそう置~」(小学校3年生)、そして発明協会会長賞、日本弁理士会会長賞、NHK会長賞、毎日新聞社賞、毎日小学生新聞賞、科学技術館賞と、それぞれの賞の特色に合った作品が選ばれ、さらに20点の優れた作品が奨励賞に選ばれました。
 身近で困っている人を助けようとしたり、地球規模の困り事に対し自分でも何かできないかと考えることで生み出された作品を審査会で目にし、それらの作者たちが人のために考えたり創り出すことで大きな喜びを感じたのではないかと想像します。発明くふうという貴重な体験を促して下さった親御さんや学校の先生方をはじめとする関係各位に心より感謝申し上げます。
審査委員長
審査委員長 古屋一仁

東京工業大学名誉教授

本事業に関するお問合せ先

公益社団法人発明協会 青少年創造性グループ
TEL 03-3502-5434/E-mail 担当者へメールを送信する