1. ホーム >
  2. 発明協会の表彰事業 >
  3. 全国発明表彰 >
  4. 平成22年度全国発明表彰 >
  5. 受賞技術概要

発明協会の表彰事業

平成22年度全国発明表彰 受賞技術概要
第一表彰区分一覧へ第二表彰区分一覧へ

日本経済団体連合会会長発明賞
相転移原盤作製法を用いた光ディスクの製法の発明(特許第3879726号)

河内山 彰
ソニー株式会社 コアデバイス開発本部 ストレージ・メモリ事業開発部門固体メモリ開発部 課長
荒谷 勝久
ソニー株式会社 コアデバイス開発本部 ストレージ・メモリ事業開発部門固体メモリ開発部 課長


発明実施功績賞

ハワード・ストリンガー
ソニー株式会社 会長 兼 社長 CEO


 本発明は、大容量再生専用光ディスクの原盤の作成方法に関するものである。
 2002年当時、 ハイビジョン映像ソフト媒体としてブルーレイディスクの開発が進められていたが、高精度の微細加工技術を要する『原盤の量産製造技術』の見通しはなかった。
 微細加工の一般手法であるフォトリソグラフィでの加工精度は、およそ、光源波長と対物レンズで決まるとされるが、本発明者らは、ある温度で化学的性質が 急激に変わるきめの細かい材料があれば、ブルーレイレコーダーで使用されている青紫色半導体レーザを光源に用いても、なお、充分高精度の原盤が作成可能と 考え、新規に遷移金属不完全酸化物材料を開発し、その結果として、低コスト/短工程時間/高品質の原盤作成法を実現した。 
 現在、本技術により、世界の殆どのブルーレイROMディスクが製造されており、新規格である3次元ハイビジョン映像用ディスクへの展開、さらには、光ディスク以外で高精度の微細加工技術を要するデバイス開発・製造にも大きな期待が寄せられている。




図1 遷移金属不完全酸化物を用いた微細加工原理



図2 原盤作成工程、および、他の微細加工技術との比較